JAPANESE CAPSULE TOY GACHA(TM)

戦略の中にデザインを入れる


飯田
最後になりますが、今回のプロジェクトで一つ思っていることがありまして。戦略の中にデザインというキーワードを中心に入れたことが成功に繋がったのではと思っています。デザインという言葉は幅の広い言葉ですが、まず設計があってそれを実施するということがあるんですけども、1つは空港の場合、問題が色々ありましたが、それをちゃんと整理をして解決をし、その解決するところにアイデアだったり、じゃあどうやって見せていこうか、といったところを、みんなまじめに取り組んで、いい結果になったと思うんですけども。デザインというものを徳井が実際にアートディレクターとして作り上げたなかで、何か思うことはありますか。

徳井
デザインの領域というか、解釈というのがかなり広がってきていて、自分自身、デザインという考え方を改めて捉え直しているなかで、このプロジェクトで体験できた感覚やリアクションはすごく新鮮で可能性を感じています。企業間の垣根を越えて、同じ目標を持って進めていけるのはとても面白いなと思いながらやらせてもらっています。

飯田
森川さんも色々な方とお仕事されていると思いますが、今回クリエーターと1つのプロジェクトをゼロから取り組んでみて、こういうことは良かったとか何かありますでしょうか?

森川
元々ご一緒させて頂きたいと思ったきっかけは、たくさんの方にガチャを回してもらいたいというなかで、そういう人達に対してどういう発信をしたら、その人達が反応してくれるだろう、という様に思っていまして、そもそもガチャってマシンが接客できるわけでもないし、ただ突っ立っているだけなので、これが良いものだよと発信するとき、ターゲットに対してどう考えてもデザインは必要で、それがずっとこの業界には少なかった。日本人は文化としては小さい頃から知っているガチャだから気がついて目を留めてくれているんですけど、海外の人にはそれがないので、これはデザインで勝負しないと、たぶん全く無理だろうと思い、ご相談させていただいたという経緯がそもそもありました。

森川
僕自身は実際、字とか絵とかってものすごくヘタで、絵とか描けないです(笑) 。だけど皆さん凄いじゃないですか、プロフェッショナルなので。このプロジェクトの中で常に大切にしていたのは、僕の役割としては皆さんの理想のプロダクトを表現できるモノを用意するというのを常々やっていますけど、とにかく今回はそれに終始徹していましたし、成田空港さんもそういうご理解が非常にあったので、まあ、皆さんが真っ直ぐ出来たかどうか、わからないですけど(笑)。できる限りデザインを大切にしてメッセージを真っ直ぐ出す。これができたことが大きかったですし、やはり立ち上がった時に驚いたのが、この業界何十年という人達が見て驚いてくれました。「何だコレは」と。こういうことって出来るのかと。それがちょっと嬉しかったです。

飯田
評価いただいて、我々も嬉しいです。

徳井
今回作り上げる時に意外に良かったのは、皆で何回も空港へ行ってコーヒー飲みながら、ワイワイガヤガヤやって、コミュニケーションを密にとりながら最終まで作り上げていった、というところが良かったかなと。目的に向かってお互いの立場が関係なくフラットにできた点と、言いたいことを言い合って行くと、結果いいモノが出来るということは、すごく学びました。

飯田
本当に、そこに尽きますよね。今回の成功の要因って色々ありますが、やはり企業の壁を取っ払ってタカラトミーアーツさん、販売オペレーションを担当しているペニイさん、什器を作っているフラクタルさん、電通テック、この4社がチームを組み取り組んでいる事は、色んな可能性を感じました。それはこのプロジェクトだけではなくて、これからいろんな仕事が世の中に生まれて来ますが、1 社で完結するビジネスに限界が来ていると思うんですよね。そこで、一つの目的に対して、違う企業がコラボをして力を合わせると、今までにないソリューションが提供できるというのが今回すごく個人的には学びました。発注者、受注者という関係ではなくて、1つの目的を達成するためにと、その道の専門家が集まり何かを作り上げることは色んなビジネスに活かせると思いました。その時に、大切なのはチームの雰囲気だと思っています。

森川
互いの領域には口はあまり出さずに、という感じでしたよね。皆が皆をリスペクトし合うっていう。逆に僕は、その状態がすごいプレッシャーでしたけど(笑)。皆さんが思っているモノを作り上げるという交渉役としては、プレッシャーはありましたけど、それがあるから頑張れたし、結果がでたと思います。

森岡
それはありましたね。良いと思ったものがそのままちゃんと形になって世の中に出させてもらえることが、なかなかないじゃないですか。

徳井
すごく気持ちが良かったですね。勝負して、しかもちゃんと結果もついてきたのも良かったです。これから、海外の空港とかに持って行った時にどうなるかすごく興味があります。やはりガチャが、あれだけズラッと並んだ時に示す反応って、日本人も外国人も、実は同じような動きをするのではと思います。一通りザッと見て、これだこれだって目星をつけて買いに行くみたいなのが、日本人も外国人もガチャの前では国境なく似ていくのだという気づきがありました。外国にガチャを持って行った時にガチャの持つ力は国境なく発揮されるのではないかと。

森川
それは、試してみたいですね。

飯田
次は、ガチャ発祥の地ニューヨークでね。
一同 ニューヨーク!(笑)

飯田
空港でこれだけの実績を上げられたので、可能性としては、海外の方が多い観光地でも同じ展開で新しいマーケットが作れるのではとすごく思いました。

森川
実は旭川空港さんにガチャを設置した時に地方創生ということを言われてびっくりしました(笑)。
え?という感じで(笑)。なんか大きな話になってきたなと。
本当にこれを機に様々な場所で展開出来ればいいかなと思っています。

森岡
面白いですね。ガチャって結構くだらない内容だったりとか、ププって笑っちゃうふざけた内容のものが多かったりしますが、それが地方を助けているのが良いですね。

森川
夢のある話ですね(笑)。

飯田
本日は、色々話をしてきましたが、これからさらに増え続ける 外国人観光客の方に対して、どう向き合えばいいのか、どうすれば興味を持ってもらえるか、日々進化をしながら 取り組んでいますが、大切なのは、コミュニケーションの 仕方だと思います。同じ商品を売っていても アプローチの仕方で反応は劇的に変わります。 この空港ガチャの経験は様々なインバウンドビジネスに応用が効くと感じていますし、これからも新たなアプローチを 仕掛けて行きたいと思っています。本日は、ありがとうございました。

森川
こちらこそよろしくお願いします。
ありがとうございました。

最後まで読んで頂きまして、ありがとうございました。
空港で「JAPANESE CAPSULE TOY GACHA」を見掛けましたら
ぜひ、お立ち寄りください。

 
撮影:三浦咲恵