2018.07.23

IoT時代に乗り遅れるな! ETロボコンへの挑戦(第2回)

優勝チームに聞く「どうすればETロボコンで勝利できる!?」

目次

松本 啓志

関西支社 統合プロモーションプロデュース室 デジタル・クリエーティブ部

2008年4月入社。上級ウェブ解析士。
イベント、SP、WEB、PRを経て、現在はデジタルを含むプロモーション全領域でのプランニング・プロデュース・制作ディレクションを担当。キャラクター開発などもしています。

「IoT」などの開発も積極的に進めている電通テックが、「組込みシステム」の知見を深めるべく、「ETロボコン」に挑戦するシリーズ企画。 今回は2017年のETロボコンのチャンピオンシップで全国優勝を果たした京都府立京都高等技術専門校の担当指導員、後藤聡文さんに強さの秘訣を伺いました!

強さの秘訣はチームの自主性に「任せる」ということ

こんにちは、電通テックの松本啓志です!
テック関西支社のメンバー5名が、「ETロボコン」に挑むシリーズ企画。第1回では、ETロボコン実行委員のみなさんに大会の意義などについてお話を伺いました。今回のテーマは「強豪チームに勝利のヒントをいただく」というもの。

2017年のETロボコン デベロッパー部門プライマリークラスで、全国総合優勝を果たした京都府立京都高等技術専門校に所属するチーム「ぼちぼちぷらす」の担当指導員、後藤聡文さんに優勝の秘訣を伺いつつ、大会が日に日に近づいている中での、電通テックチームの近況をお伝えします! 実はここに来て、最大のピンチが訪れているのでありました……。

——早速、お話を伺いたいのですが、ETロボコンに参加する多くは企業チームですが「ぼちぼちぷらす」は京都府立京都高等技術専門校という学生さんのチームということになるのでしょうか?

後藤

職業訓練校になりますので、学生ではなく「訓練生」ということになります。私は同校で職業訓練指導員を務めながら、初回参加の2013年よりチームの顧問として関わっています。

——参加をされたきっかけはなんでしょうか。

後藤

システム設計科の訓練生たちのモチベーションを上げる機会を作りたいと考えたことでした。一方的に教わるだけでは、なかなか勉強の意欲が湧かない。何か熱中できるものはないか、楽しみながら実践を通じて学べるものはないかと考えた時に、「ETロボコン」にたどり着いたんです。

——余談ですが「ぼちぼちぷらす」というユニークなチーム名の由来は?

後藤

2016年までは「ぼちぼちがんばる」というチーム名でした。メンバーが付箋に好きなチーム名を書いて、大量にホワイトボードに張ってその中から投票したのですが、他の候補がひどすぎたので最後に残ったのが「ぼちぼちがんばる」でした。これに決めたと聞いた時は、なんて名前だと思ったんですけど(笑)、少しずつ愛着が湧いてきました。改名のきっかけは2016年大会で、あと一歩のところで優勝を逃してしまったこと。雪辱を果たすという意気込みを込めて、翌年から「ぼちぼちぷらす」としました。

——2015年には既に地区大会で総合優勝を果たしています。短期間で実績を出していますが、後藤先生は、どのようにご指導をされているのでしょうか?

後藤

2013年から2015年までは、私もノウハウがなかったので、チームに加わって訓練生と一緒に学びながら取り組んでいました。2016年以降は、チームの自主性に任せるようにしました。

——なるほど、かなり「訓練生」の方に任せる形で進めているんですね
 

後藤

「指導員」と「訓練生」という関係性では私が彼らに「教えて」しまうので、どうしても指示待ちというか、受け身になってしまいまして……。

そこで、2016年から訓練生の中でリーダーを決めて、その人にすべてを任せる体制に切り替えました。チームで話し合いを行い、決まったことを提案してもらう。その提案が「多分、失敗するだろうな」という内容でも、敢えてやらせてみる。企業のみなさんですとなかなか失敗することは許されないと思うのですが、訓練生なんだから、いくら失敗してもいい経験になるだろうと。失敗も含めて成長だと思いますし。

また、能力がある人に口うるさく言うと、自分のペースを崩してしまって、途端にやる気をなくしてしまうことも多いんです。優秀なリーダーがいる場合は、敢えて口を出さないというのも大事だと思っています。

限られた条件の中で、いかに質を高めていけるか

——しかし、名だたる企業も参加する中で優勝しているのは相当なものですよね。そういった素晴らしい成績を収めたのは、どういった戦略というか考えで取り組まれたのでしょうか?

後藤

戦略というよりは、やる気の塊といいますか、モチベーションの強さかもしれません。

——(意外にも精神論……!)

後藤

2016年は全国4位だったのですが、優勝を狙えたかもしれないのに、最後の最後、コースの階段のところで失敗をしてしまった。そんな先輩たちの悔しい結果を見ていたので、階段は絶対に攻略したいという強い想いがありました。

——設計部分でいうと、他のチームとは違う独自なことをしていますか?

後藤

特に変わっているところはないと思いますね。強いていうならば、過去の優秀なチームの設計書はかなり読み込んでいます。ETロボコンに出場すると、その年の全チームの設計書が手に入るんですよ。2013年から昨年までで1000チーム以上の設計書が手に入っていますので、その中から受賞チーム分を徹底的に読み込み、どんなことを書けば評価が高いのかを分析しています。様々なチームの書き方を参考にしながら自分たちの設計書を書いたというのが、いい点数につながったところではないかなと思います。

ぼちぼちぷらすさんの実際の設計書

——すごいですね。しかし、それだけの膨大な資料を読み込むのは大変じゃないですか。

後藤

そうですね。そういう意味では、企業チームのみなさんと比べると、ETロボコンに多くの時間を割けるというのも、我々の強みかもしれません。企業の方ですと、業務外の時間で取り組むという制約で走行テストなどのチェックや検証があまりできなかったり、メンバーの部署や事業所が違うことなどで、なかなか議論する時間がとれなかったり、というのはネックですよね。

チーム間のコミュニケーションはとても大事で、例えば「ぼちぼちぷらす」ではプログラムも設計書も、必ず複数人でチェックをするよう指導しています。自分で作ったものを自分でチェックするとどうしてもミスを見逃してしまうので。メンバーの距離感が近く、コミュニケーションがとれていると、複数人によるチェックもスムーズに進みます。

ただ、時間があるからといって、ダラダラ進めていいわけではありません。私たちのチームでも、訓練生にガントチャートのような進捗管理表をエクセルで半年分作らせているのですが、スケジュールは1日単位になっていて、この日はこれくらい授業があるから何をやるかなど計画を立て、その後も実績をチェックしていき、週に一回リーダーから報告を受けています。

昨年、一昨年のチームも、リーダーの方針に「残業はしない」「夏休みは絶対に休む」というのがあって(笑)、休むためにはどうすればいいのかに苦心していました。

——限られた条件の中で、うまくスケジューリングしたり、役割分担したりして、どこまで質を高めていけるかが大事なんですね。

後藤

そうですね。まさに実際の仕事でも同じだと思うのですが、ETロボコンを通じて、社会人基礎力を向上させたいという目的もあるので、仕事の疑似体験として訓練生たちにはロボコンに取り組んでもらっています。

——ありがとうございました!

立ちはだかる時間の壁!どうなるテックチーム!!

話を伺ってみると、ETロボコンで勝利する鍵は、メンバーそれぞれが自発的に取り組むためのモチベーション・タスク管理と時間管理にあるようです。
うーん、そうですか、そうですか。優勝につながるテクニックや裏技の伝授を期待していましたが、やはり地道な努力をするほかないということですね。

何たる悲報……! というのも、テックチームはいま、大きな危機を迎えているのです。それは、普段の業務が多忙につき、メンバー全員、ETロボコンに割く時間が全くなくなっているということ。そのため、当初の役割分担もスケジューリングもむなしく活動が止まってしまっているのが現状です。そう、我々はいま、深刻な時間貧乏に悩まされているのです。
慣れないモデリングやプログラミングは、勉強しながら進めないといけないため、予想以上に時間がかかってしまう。後藤先生がおっしゃるように、活動に割ける時間が多い、というのは大きなメリットにつながっていると思います。

このままでは、まずい……!

そんな焦る気持ちから、テックチームのチーム名は「Hurry(ハリー)テック」に決定しました。「Hurry up」=「急げ」。つまり、急いで作って、急いで走ってもらう、という意味合いです。「ぼちぼちぷらす」さんとは真逆の、緊迫したチーム名がその状況を物語っています。

そんな状況の中、無謀ともいえる挑戦!「Hurryテック」は無事ETロボコンを駆け抜けることができるのか……⁉ 次回はいよいよ試走会!
どうなる……!? テックチーム!!

松本 啓志

関西支社 統合プロモーションプロデュース室 デジタル・クリエーティブ部

2008年4月入社。上級ウェブ解析士。
イベント、SP、WEB、PRを経て、現在はデジタルを含むプロモーション全領域でのプランニング・プロデュース・制作ディレクションを担当。キャラクター開発などもしています。

Written by:
BAE編集部