2019.08.27

さきトレ|エンタメ業界にも進出する「空中ディスプレイ」の最新活用事例

低コスト、量産化、省スペースも実現

これからの未来を描くであろう、最新テクノロジーのニュースを先取りしてお届けします!

以前、BAEでは空中に画像や映像が浮かび上がる「空中ディスプレイ」の技術について取り上げました(前回記事:「空中ディスプレイ」が切り開く、デジタルサイネージの未来)。その後、「空中ディスプレイ」は実用化に向けてより大きく前進しているようです。株式会社アスカネットさんにお話を伺いました。

目次

メディアアートで活用される「空中ディスプレイ」

数年前には未来のような話でしたが、「空中ディスプレイ」を実際に導入する企業が、続々と現れています。株式会社アリオスは、新型業務用美容機器に、「ASKA3Dプレート」を搭載。空中結像による非接触操作技術を組み込むことで、従来の業務用美容機器にあった「施術時に手に付着したボディオイルやジェルを都度落とさないと操作が出来ない」「オイルによる画面や機器の汚れが故障につながる」等の懸念点を解消しています。

商業イベントなどのエンタメ分野でも導入されています。松竹株式会社が2019年3月に渋谷 HMV&BOOKS SHIBUYA内のhmv museumで開催された「カブキノヒカリ展」では、展示に登場する演出に、「空中ディスプレイ」の技術が活用されました。

「カブキノヒカリ展」の全景
鼓や太鼓が浮かび上がり、実際に音を鳴らすことができます

歌舞伎の新しい楽しみ方を提案するために、最新の技術を組み合わせた新規事業として歌舞伎のメディアアートに空中ディスプレイの技術が採用されました。浮かび上がる鼓(つづみ)の立体映像に触れると、実際に音がでるなどインタラクティブな演出をしたところ、体験者の驚きの声が口コミで広がり、また体験者が増えるという「連鎖」が生まれたそうです。

ディスプレイの小型化で、さらに広がる可能性

現在、「空中ディスプレイ」の引き合いがあるのは、非接触の操作が求められる業界、医療現場や食品工場などが多いようです。調理場での操作目的で検討してみたいという声もありました。そのほか、飲食店でのパネル操作、作業現場での手袋での操作、車載ディスプレイの操作などが今後想定される利用シーンです。

「カブキノヒカリ展」のようなエンタメ活用に関しても可能性は開かれています。例えば、水族館などで実際に遊泳している魚のそばに、情報表示ができないか検討したいという要望などもありました。そのほか、VTuberのキャラクターを空中に表示して臨場感を出すという演出も、十分実現可能です。

また、「空中ディスプレイ」は小型化することも可能となっています。スマホのディスプレイくらいまで小さくすることも難しいことではなく、手元のデバイスで「空中ディスプレイ」の映像を鑑賞したり、操作することも夢ではありません。このようにプレートを小型化することで、コンパクトな空間での空中ディスプレイの利活用も進んでいきそうです。

空中ディスプレイは、その高い導入コストがネックとなっていましたが、昨年、アスカネット社がリリースした「樹脂製ASKA3Dプレート」は、樹脂製にしたことでガラスに比べ低コストであり、かつ量産化を可能にしました。現段階においては月産3,000枚程度の量産化が可能です。素材や技術が発展していくことで普及が進み、私たちの生活により身近な存在となってくるのは間違いないでしょう。

ハプティクス技術(触覚)などのテクノロジーの掛け合わせにより、更にインタラクティブなことも可能になり、体験価値も高まっていくはず。もはや「夢」ではなくなってきているこの技術の今後の広がりに注目です。

Written by:
BAE編集部