2020.10.08

ニューノーマル時代に進化するオンラインソリューションがめざす最強のリアル

「あたらしいリアルのつなぎ方」のススメ

世界中を巻き込んだ新型コロナウイルスの脅威。災禍の中で、はからずも世界各国の政府や企業は、自国の生活のあらゆる側面でのデジタル化の現在地を知ることになりました。一方で、世の中にはリアルでしかできない仕事や生活があり、人と人のふれあいが生む心の安寧があると、リアルの価値が再認識されました。
今後、日本はニューノーマル時代のビジネスと生活環境にドラスティックな変革をうながすことができるのでしょうか。時代を進化させ、もっと快適な仕事と生活を実現するオンラインソリューションについて、株式会社電通テックの「あたらしいリアルのつなぎ方」ブランドマネージャーの今井俊克、同セールスマネージャーの齋藤和幸、柳川得郎が語りました。

目次

コロナ禍のビジネスプロモーション課題

左から電通テックの柳川得郎、齋藤和幸、今井俊克

——今般のコロナ禍は、企業活動や生活に大きな影響を及ぼしました。その多くがマイナスの影響であるなか、デジタルやAI分野が元気です。

今井

新型コロナウイルスの世界的流行で、デジタル化は加速度的に進みましたが、その手前で長い助走期間があったことが背景にあると思います。私たちも2018年くらいから働き方に変化が出てきました。働き方を変えるためにはデジタルのちからを借りるのは当たり前。作業効率の向上や時間短縮、場所を選ばず仕事ができる環境を整えることは、ビフォーコロナの時代から急務だったのです。でも世の中を見渡すと、多くの企業ではデジタル化は道半ば、あるいは全然追いついていない段階で、ある種の災害に見舞われたような感覚を持たれてしまっているように感じます。

齋藤

企業は様々な試行錯誤をしています。例えばイベントをオンライン化しても、現状は実体験者数が減ることの不安が先行しています。しかし遠隔で参加できることで、総参加者数は絶対に増えるわけで、データの上積みも期待できます。それをどう活用し、実際の利益につなげていくかが課題です。

柳川

デジタル化の経緯を読み解く重要な視点は、2018年の働き方改革、19年のデジタルトランスフォーメーションが企業内の活動の域を出ていなかったということです。ところがコロナ禍で突如顧客との対面の機会が絶たれて、会社は顧客とどうコミュニケーションをとればいいのかと突き付けられた格好になりました。

齋藤

これまでは企業もやりたいことが明確にありましたが、コロナ禍になり、何をどうしていいのかわからないという相談は増えましたね。企業の焦りを感じますよね。ものが売れない。ものを売るにはアピールしなければいけないのに、従来型のプロモーションは難しい……。

柳川

負の連鎖になっています。ものが売れないから予算削減を求められ、そのなかで何かをやるためには、売り上げを確実に上げなければならない。そこをどう解決していくかが、われわれのようなデジタル化を推進していく側にとっても大きな課題になってきています。

リアル店舗が向かうオンオフ・ハイブリッド型

——企業側がニーズをうまく言語化できていない状況で、具体的にどんな解決策が考えられますか。

今井

ニーズや課題は企業の業種によって異なります。もともと対面販売が主体の企業の場合は、その先にいるお客さんの参加が不可欠です。例えばシニアが中心客層の店に「デジタルです。使ってください」と持っていったところで、「わからない」と言われたら終わりです。使う側が使い方を知らないと提案できません。

齋藤

立ち止まっていても、お客さんが店に足を運んでくれないなら死活問題です。対面販売が必須だった企業には、『オンライン接客サービス』の導入をすすめています。電話では互いの顔色がうかがえませんので、画面をとおしてでも笑顔を見せることができるのは、店側にとってもメリットです。もちろん商品やパンフレットなども見せることができるので、アパレルはもとよりブライダルや不動産、携帯電話ショップにも最適です。お客さんも店までの移動が省かれると時間が生まれますし、シニア層が使いやすい仕組みを提案すれば買い物難民のような社会問題が解決する契機にもなり得ます。

今井

特に地方で活用できる期待が多いですね。例えば北海道。場所によっては店までが遠い。特に専門店の場合は、その店で全部の買い物が完結するわけではないのにわざわざ行かなければならない。オンライン接客サービスを利用すれば、家にいながらにそれぞれ離れている複数店舗を回れます。

——オンラインイベントについてはどうでしょうか。

今井

展示会などのオンライン化はこれからですね。場所が遠くても参加できるメリットがあるので、これから増えそうですね。ただ、リアルならではの五感を使う価値をデジタルに置き換えるにはどうすればいいのかは課題です。新しいブランドの見せ方、オンラインだからこその視覚的楽しさをどう演出できるか。それを実現できれば、新しい価値が生まれ、新しいオンラインイベントとして需要が出てくるでしょう。

アジア最大級の規模を誇るIT技術とエレクトロニクスの国際展示会CEATEC、今年はオンラインでの開催が発表されている(CEATEC公式サイトより)
柳川

大手百貨店に入っている店舗ではバーチャルで商品を展示してそのまま購入できるようにしています。予想の何倍も来店があったようで、アフターコロナを見据えたときに進めていく『オンオフ・ハイブリッド』のひとつのイメージをこの事例に感じます。

自動車メーカー、百貨店、アパレルなどが、VR空間上で行われる世界最大級の即売会「バーチャルマーケット」に出店するなど、オンライン活用を推し進めている
イベントやショッピングを非接触で実現。人々を体験で魅了し、躍進するVR市場:https://bae.dentsutec.co.jp/articles/hikky/
齋藤

オンラインイベントの良いところは、参加者が無限大に広がることです。日本だけでなく、海外にも新しいユーザーとの接点が生まれます。コロナ禍の今、旅行に来られない中国人が中国のECサイトで日本製品を爆買いしていますし、商機はあります。

加速するビジネスシーンのオンライン化

——BtoBプロモーションや採用のようなインナーに関わる分野はどうでしょうか。

齋藤

株主総会、IR、リクルート、記者発表会などニーズとポテンシャルの高い領域はいくつかあります。タイミングをとらえる必要性や準備に時間がかかる面もあるので、実績例は少ないものの今後伸びるでしょう。特に採用は、大都市に本社がある会社の就職活動をする際の地域間格差は問題になっていました。オンラインなら遠方に住む学生も気軽に説明会に参加でき、採用試験により多くトライする機会が得られます。

今井

eラーニングもこれからどんどん増えてくると思います。海外では既にかなり普及しています。例えば国内でも時差があるような国で、一斉に本社に集まって研修というのは無理があるので、eラーニング研修が現実的でした。日本でも在宅勤務が一気に進んだことで、自宅での環境は整ってきています。またコロナ禍で大勢が集まることに抵抗が出てきているので、社員のスキルアップにeラーニングを取り入れるトレンドが生まれてくるでしょう。

——現時点で導入実績が多いのは、どのサービスでしょうか。

今井

ウェビナー(ウェブセミナー)と記者発表会の引き合いが多いですね。ただ、リアルで実施していたものをオンライン上で同じように配信することが良いという訳ではありません。 今後われわれがめざすのは、新しい商品やサービスをバーチャル空間上の新しい体験の形で消費者に提供できるようなものです。併せて、リアルの消費にも結びつけることが出来れば、リアルを超えたオンライン価値の提供が叶うのではないかと期待しています。

幸せなリアルを創るデジタルのちから

——今後のアフターコロナを見据えたとき、オフをオンに置き換えるだけでは不十分です。

今井

まさにわれわれが標榜しているのは、オンオフ・ハイブリッド型です。現実にはリアルに勝る価値はないです。同じ価値をオンラインで創ることは絶対にできない。価値を変えて見方を変えて、どうオンラインで体験する人に満足をしていただけるか、その可能性を探っていけるのがオンラインイベントだと考えています。

齋藤

店でもイベントでもリアル店舗のお客さんをそのままオンラインに連れてくるだけでは意味がありません。新規顧客も合わせて増やしていくことをしないと、企業側にとってコストに見合う価値がないと言えます。 オフラインでのプロモーションも熟知した電通テックのわれわれが関わることで、提供できると思います。

今井

まさにそこに広告やプロモーションが重要な意味を持ってきます。五感を伴うリアルは絶対になくなりません。時と場合によってはオンとオフの比重が0対10の取り組みがあっても、それがベストなら電通テックはそのプロジェクトをサポートできます。2対8がいいのか、5対5がいいのか、それは売りたいものやターゲット、プロジェクトの目的によって違ってきます。顧客の視点、企業の視点、社会の視点、様々な点と点をつなぎ、トータルで考えた提案から実践をサポートできるのがわれわれの大きな強みです。

柳川

デジタルサービスは、リアルの代替品ではありません。リアルシーンで人々の時間を生み、新しい挑戦をうながしたり、快適性が増幅したり……楽しさや幸福感を創るツールであるべきです。 オンラインツールを活かしたコミュニケーション設計やイベント実施などご相談ください。 ニーズに応じて多種多様なソリューションをご用意しています。

今井 俊克

株式会社電通テック
ソリューションサービス部門 UXプロデュース室 フィールドエクスペリエンスプロデュース部
チーフアクティベーションプロデューサー

飲料、自動車、家電を中心とした幅広いメーカーや流通企業などのBTL全領域におけるプロデュース業務を担務。主にフィールドプロモーションに従事しながら、オンラインソリューションを活用した店頭販促施策の設計など、オン・オフ問わず各種アクティベーションの設計を行う。上級ウェブ解析士。
 

齋藤和幸

株式会社電通テック
ビジネスディベロップ部門 第2アクティベーション事業部 部長

電通東日本や電通イーマーケティングワン(現、電通デジタル)に駐在し、多種多様なクライアントのBTL領域からイベント領域まで、統合プロデューサーとしてプロデュース及びマネジメント業務に携わる。
 

柳川得郎

株式会社電通テック
リテール&プロダクトマネジメントセンター リテールソリューション部 部長

日用雑貨・飲料・食品メーカー全般の店頭及びプロモーションプランニングを担当。店頭におけるコンシューマーインサイトの発見とそれに基づいたコミュニケーション設計~ショッパーマーケティング領域〜店頭販促物提案の活動が中心。株式会社電通リテールマーケティング創立メンバー。VMDインストラクター。上級ウェブ解析士。 

Written by:
BAE編集部